令和7年6月23日一関市長定例記者会見概要
開始時刻 午前11時
○市長発表事項
なし
○その他
【記者】
岩手県教育委員会に工業高校の新設に関する提案書の提出を17日に行ったが、改めて概要を教えていただきたい。
【市長】
岩手県教育委員会では県立高校の再編計画を策定している。現計画は令和3年度から令和7年度までの5箇年計画で本年度が最終年度となる。一関市に関係するものとしては、一関工業高校と水沢工業高校の統合がある。提案書は、市長、市議会議長、商工会議所会頭の連名で提出した。岩手県として産業振興や人材育成に資するものにしてほしいという内容を10項目にまとめた。
当日は岩手県教育長、教育次長、教育局長の対応だった。教育長からのコメントは、岩手県の産業振興を図っていく上で貴重な提言をいただいた。新設校の学科の内容や場所については今年度中に明らかにするということに変更はないが、その時期は未定とのことだった。
【記者】
提案で専攻科を設置してほしいという内容があるが、具体的にどのような学校をイメージしているのか。
【市長】
岩手県立の実業高校であるので、県が岩手の産業振興を図っていくための教育機関だという位置づけだ。北上川流域には、盛岡工業高校、黒沢尻工業高校、水沢工業高校、一関工業高校があり、今回は水沢工業高校と一関工業高校を統合するという話だが、一関市の場合は、通学や企業の立地、人材などの面で宮城県北を抜きにしては語れない。一関高専は5年制の課程でさらに学ぼうとすれば4年制の大学と同じような学びの機会が得られる。新設の高校に専攻科を設置したとしても、すべての生徒が進学するとも限らない。学ぼうとする側と学ばせようとする側の需要と供給の関係となる。新設の学校とするのであれば、次の時代の産業人材の育成に沿ったものでなくてはならない。
実際に学校を新設するとなると、用地取得から建設、開校までに相当の時間がかかる。その間にも状況が変化する。県の産業政策ともリンクするので、知事部局とも連携が必要だと考えている。
【記者】
千厩高校の産業技術科や宮城県北との関係を踏まえた提案書となっているのか。
【市長】
東磐井の子どもたちにも新しい学校で勉強できるチャンスを与えたいという思いもあるが、実際に通学する交通機関のことを考えれば千厩高校には東磐井の生徒が集まるのが現実だ。今回、説明があったビジョンでは工業高校などの専門高校は両磐地区と胆江地区で一つとする新しい考え方が示された。また、普通科の小規模校はできるだけ現状をキープするとある。花泉高校、大東高校、千厩高校についても学びの需要に応えられるものが欲しいが、いずれ今後、具体的な校名が示されるので、専門高校と普通科の高校それぞれの定員や学科の編成などはどうあるべきか、議論や検討が欲しいと考えている。
【記者】
要望書とせず提案書とした理由はあるか。
【市長】
最終結論をもって実現を迫るものが要望かもしれないが、いろいろな観点から検討した方がよいのではないかという内容なので提案書とした。
【記者】
明日から移動市長室があるが、現任期としては最後となる。今回のテーマにかけた思いと8地域を回る中でどのような話を聞きたいか。
【市長】
現地に出向いて現地の話を聞くことが必要と考えている。人口減少への対処が基本となっている。今回のテーマは、どの分野でも担い手不足、後継者不足となっているが、特にも伝統技術、伝統産業の分野での継承者が不足している課題と、子ども食堂やみんなの食堂などに代表されるような新しい取組を始めた団体組織の両方から話を聞きたいということがテーマ設定の趣旨だ。
【記者】
民俗芸能団体をどのように守っていくべきと考えているか。
【市長】
先日開催した若者活躍会議の参加者からの発言で、「自分が子どものころは伝統文化・芸能があったが今はなくなった」という話を20代、30代の若者から聞いた。学校統合の前はそれぞれの学校独自に鶏舞や獅子舞などに取り組んでいたが、学校統合の影響でそれができなくなったということだが、ここ10年ほどの出来事であり特徴的なことだ。小学生中学生の子どもたちがやがて一関市を出ていき、また戻るきっかけがなくなるのではないかという点を20代の彼らから指摘されたことはショッキングなことだ。移動市長室の懇談の中で、何かヒントとなるようなものを見出していきたい。
【記者】
修紅短期大学で新たなコースの設置を検討されているようだが、一関市としてどのような支援をしていくのか。
【市長】
修紅短期大学協力会の総会で申し上げた内容だが、花巻市から石巻市の間の市町村に大学・短期大学のいわゆる高等教育機関は修紅短期大学以外にない。この地域にある高等教育機関は維持・存続していくことが必要だという認識だ。子どもの数が減っており、4年制大学と専門学校の狭間にある短期大学は全国的に閉校が相次いでいるが、一関市としては修紅短期大学を盛り立てていきたい。入学生を確保し、卒業生の就職を後押ししていくことをやっていきたい。
【記者】
幼児教育や保育士養成の学科を持つ短期大学でニーズはあると思うがいかがか。
【市長】
保育士はすべての子育て支援策を実施していくうえで必須の人材だ。かつて待機児童の課題があったが、要因は保育士の不足からだった。どうにか一定数確保でき待機児童は解消されたが、子どもの数が減っていくとはいえ、保育士は必要な人材だ。今年度も新規事業で保育の部分を厚くする当初予算としたが、どの事業にも関わってくるのが保育士だ。どこの市町村も保育人材や介護人材を確保できるかという点が生命線だ。
【市長】
発表事項ではないが、避難行動要支援者名簿の紛失に係る確認状況をお知らせする。行政区長などから名簿の所在を確認する聞き取りの作業を進めていたが、先週の段階で99.5%の名簿配布者との連絡がとれた。まだ7人の方との連絡がとれない状態であるが、継続して確認をする。
以上
終了時刻 午前11時30分