【特集1】学校統合 第1部 閉校_2
渋民小学校
歯磨き実践の取り組みが文部科学大臣賞に140年の歴史、有終の美を飾る
鈴木市教育委員長(左)に校旗を返納する芦宏校長(右)
渋民小学校(芦宏校長、児童44人)の閉校式は3月17日に行われた。
全校児童、保護者、教職員、住民、関係者など約350人が出席し、140年に及ぶ校史の終わりを見届けた。
芦校長は「子供たちは限りない未来の扉を開く開拓者。大東小学校で新しい仲間と共に夢と希望を膨らませ、友情を育み、輝かしい伝統を築いていくものと確信している」とあいさつした。
全校児童による「お別れの言葉」では、郷土の先人芦東山についての学習や歯科保健指導による虫歯ゼロの取り組みなどを振り返りながら、「地域に愛され、守られてきた渋民小学校での思い出を胸に、夢と希望をもって新しい一歩を踏み出します」と声をそろえた。
渋民地区は、刑法の草分けである「無刑録」を書いた芦東山生誕の地。住民の教育への関心は高く、地域全体で同校を支えてきた。
PTA活動も盛んで、日本PTA全国協議会長賞を二度受賞した。
ここ数年間は全校で歯磨きに取り組んでおり、平成24年度全日本学校歯科保健優良校表彰で最高峰の文部科学大臣賞を受賞した。
芦校長は「学校歯科医の献身的な指導、PTAや地域の教育に対する理解と協力、家庭、地域の子供たちへの深い愛情があればこその受賞。本当にありがたい」と感謝した。
式終了後は、校庭に建てられた閉校記念碑の除幕式が行われた。
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芦宏さん
あし・ひろし 第39代校長
地元の渋民小学校に赴任することになって、最初は緊張感がありました。
しかし、たくさんの人に支えられ勤務することができ、何にもかえがたい一年でした。
子供たちの大東小学校での活躍を期待しています。
金野花穂さん
こんの・かほ 児童会長
自分たちの母校が閉校するのはやっぱり寂しいです。
中学校では、渋民小で学んだことを生かせるよう頑張っていきます。
後輩たちには摺沢、曽慶の仲間と一緒に大東小学校で頑張ってほしいです。
佐藤孝吉さん
さとう・こうきち 校記念事業実行委員
140年の歴史を誇る渋民小学校の閉校は断腸の思いです。
渋民小は、立地条件が良く、地域の文化・スポーツの拠点でもありました。
これからも、地域コミュニティーの拠点として活用されることに期待します。
金秀也さん
こん・しゅうや PTA会長
卒業生、住民として母校の閉校は残念で仕方ありません。
子供たちには、新しい仲間と一緒に勉強やスポーツに励んでほしいです。
大東小学校に芦東山生誕の地「渋民」のすばらしい子供たちを託します。
渋民小学校
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曽慶小学校
地域と共に児童を育み139年 歴史の幕引きに多くの人が惜別の涙
全校児童による「お別れの言葉」。スライド上映と合せて開校から閉校までの思い出を振り返った
曽慶小学校(新毛公生校長、児童60人)の閉校式は3月16日に行われ、児童、保護者、教職員、住民、関係者など約300人が出席した。
式では、新毛校長が「子供たちは、4月から大東小学校で多くの仲間と出会い切磋琢磨できる生活に入ります。
子供たちが、さらなる力を発揮して新たな時代を切り開いていけるよう、引き続き指導をお願いしたい」とあいさつした。
「お別れの言葉」では、全校児童がスライド上映に合わせて開校から閉校までの歴史を紹介。運動会、学習発表会など楽しい思い出を振り返った。
児童たちは、「曽慶小学校で学んだことを誇りに力を合わせて頑張ります。未来を信じて羽ばたきます」と決意を示し、「ありがとう曽慶小」と声をそろえて学校に感謝した。
出席者が見守る中、新毛校長から鈴木教育委員会委員長へ校旗が返納された。その後、出席者全員で校歌を斉唱。
惜しまれながら139年の歴史に幕を下ろした。
同日は「惜別の会」も行われ、歴代の校長、PTA会長やこれまで学校運営に協力してきた個人・地域団体へ感謝状が贈呈された。
また、同校児童が中心となって活動する音楽グループ「ドリームキッズ」がアトラクションで出演。元気いっぱいの歌声を響かせた。
同校は、1874(明治7)年10月に創立。これまで巣立った卒業生は約2千400人。
東に室根山を望み、地区の中央部を曽慶川が流れる自然豊かな環境で、学校と地域が一体になって児童を育んできた。
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新毛公生さん
しんけ・きみお 第32代校長
139年の歴史を誇る曽慶小学校も閉校を迎えます。子供たちとともに地域の歴史を振り返り、その素晴らしさに実感しながら取り組んだ一年でした。
これまで本校を育んでくれた地域の皆さんに感謝します。
小山和樹さん
おやま・かずき 児童会長
6年間通った小学校がなくなるのはやっぱり寂しいです。
最後の1年、地域の皆さんと一緒に頑張った運動会が一番の思い出です。
曽慶小学校で学んだことを大東小学校に引き継いでほしいです。
畠山一也さん
はたけやま・かずや PTA会長
曽慶小学校がなくなりますが、地域には、未来を担っていく子供たちがいます。
子供たちは、未来を明るく映し出し、前進していくことができます。
大東小学校として新たなスタートを切ることを祝福します。
山内健吉さん
やまうち・けんきち 閉校記念事業実行委員長
曽慶小学校は、地域唯一の小学校として、多くの人材を育んできました。
歴史・伝統のある学校がなくなることに寂しさを感じます。
次世代を担う子供たちが健やかに学び羽ばたける学校作りに期待します。
曽慶小学校
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広報いちのせき「I-Style」 平成25年5月15日号